「恩着せがましい」の意味とは?
そうならないために、まず「恩着せがましい」とはどういう意味なのか、相手を知ることから始めていきましょう。そうすることで自然と解決方法が見えてくるはずです。
感謝を求める態度をとる
本来、感謝とは、感謝する側が「あの人にありがとうの気持ちを伝えたい」と思ってするものです。ところが恩着せがましい人は、感謝する側の気持ちなどお構いなしに感謝を要求してきます。「あの時手伝ってあげたでしょ」「あなたのためなのよ」「俺の指導があったからお前は独り立ちできたんだ」。だから「感謝しろ」というわけです。
また、言葉に表さなくても態度で表現したり、感謝されないと他の人に「あの人は恩知らずだ」などと話を広めたりします。
「恩を着せる」と「がましい」の複合語
「恩着せがましい」は「恩に着せる」と「がましい」に分けることができます。「恩に着せる」とは相手に対して感謝の気持ちやそれに代わる物を求めたり、それによって相手よりも自分は上だと考えたりすることです。
一方「がましい」には「いかにも〜な様子」「〜の傾向がある」という意味があります。これら二つの言葉が合わさって「相手に何かしてあげることで相手に感謝を求めて、さらには相手より自分が上だと考える傾向がある」となります。
恩着せがましい人あるある10選【性格編】
自己中心的
「恩着せがましい人」は自分のやることなすことは全て正しいと考える傾向があります。
「私のしてあげたことは感謝されるべきことなのに、何も返してこないなんて恩知らずだ」と考え、相手がどう思っているかは考えません。
物事を損得勘定で考える
「恩着せがましい人」を突き動かすエンジンは「損得勘定」です。「見返りがあって当然」と考え、自己中心的な人ですからこの考えに何の疑いも持ちません。そして、見返りがないと「自分ばかりが相手に尽くしている、自分は損をしている」と考え、感謝や見返りを求めます。
自分を客観視できない
「恩着せがましい人」というのは、周りで見ていても見苦しいものです。しかし感謝を相手に求めている本人は、周囲からどう思われているかは考えません。なぜなら「自分は正しい行為をしている、自分だけが損をするのは間違っている」と考えて疑わないからです。
そのため恩着せがましい人は「損をすることが悔しい」「道理から外れている相手が許せない」と考えてしまいます。
プライドが高い
「恩着せがましい人」は、周りがどのように思おうと自分の考えこそが正しく、そんな「正しい私」が損をすることは許されないと考えます。つまり、自尊心やプライドが非常に高いのです。
相手のことを考え、こんなことを言ったら相手はどう感じるか、周りはどう考えるかを想像できればいいのですが、プライドの高さがそれを妨げるのです。
独占欲・支配欲が強い
「恩着せがましい人」は何かを与えた人の方が正しくて偉いと考えます。まさに「ペットと飼い主」のような関係です。
恩着せがましい人が誰かに何かをした場合、「自分は相手ができないことをしてあげたのだ」と認識し、「相手はこんなこともできない」「相手は自分がいないと何もできない」とも考えます。恩着せがましさが行き着く先は、相手をペットのように支配し、独占することになるのです。
恩着せがましい人あるある10選【行動編】
人の話を聞かない
「恩着せがましい人」は相手の気持ちや言葉をくんだりすることはしません。なぜなら、相手は自分より下だと少なからず考えているからです。
それどころか、「自分がこんなにしてあげたのに、何も返さないなんて非常識だ」といった自分の考えを押し付けてくることもしばしば。恩着せがましい人と接しながら、自分の意見を受け入れてもらうのは至難の業といえるでしょう。
求めてもいない物や行為を押し付けてくる
「恩着せがましい人」は独善的で、自分の考えを疑いません。「相手はこれを必ず喜ぶ、感謝する、そうに決まっている」と決めつけています。
「〇〇さんに似合うと思ってこれ買ってきたの」などと、こちらが頼んでもいないことを勝手に行動に移します。「気にしないで受け取って」とは言うものの、後々その見返りを求めてくるので、注意が必要です。
自分の言動を忘れない
過去に自分のしたことを忘れてしまっては、見返りを求める口実がなくなってしまいます。そのため、「恩着せがましい人」は自分が施した言動の履歴を忘れません。
記憶していない過去のことを言われると、恩を着せられたこちらも強く出にくいものです。実際に何かをしてもらったのだとしても、とうの本人が覚えていないということは、それほど重大なことではなかったはずです。でもそんな主張をしても、恩着せがましい人には聞き入れてもらえないでしょう。
見返りがないと不機嫌になる
「恩着せがましい人」は、見返りがないと「損をした」と考えます。必ず過去の恩を回収しようとしますし、それが叶わないならば「自分ばかり損をしている」「自分のおかげなのに」「あいつは恩知らずだ」と不機嫌になってしまいます。
実際に言葉に出す人もいれば、あからさまに態度で示してくる人もいます。いずれにせよ、恩を着せられた側からすると面倒くさいことには変わりありませんね。
すぐ感情的になる
「自分ばかりが損している」「問題を解決できたのは自分のおかげ」「あいつは恩知らずだ」と考えたとしても、少し理性的になれば表に出さずに踏みとどまれるはずです。
ところが「恩着せがましい人」は主張しないと気が済みませんし、我慢ならないのです。見返りを求められた時は、ひとまず冷静になるようになだめたり、距離をおいてみるのも有効です。
恩着せがましい人の心理とは?
ここでは、恩着せがましい人の心理について考察してみましょう。
周りの人に認められたい
自分を認めてもらいたいという承認欲求は、誰しもが内面に抱えているものです。恩着せがましい人の場合、見返りを得られることで「この人に認められた」と感じることができます。
本来、相手を認めたり相手に認められたりするやりとりは、気持ちの上でのやりとりであるはずですが、恩着せがましい人は、言葉や物といった見返りがないと自分が認められていることが実感できないのです。恩着せがましい人は相手の気持ちを汲むことをしないのですから、言葉や物で示されないと承認欲求が満たされないのも当然と言えば当然です。
相手より優位な立場にいたい
恩着せがましい人は、相手に何かをしてあげることと主導権を握ることを同一視している傾向があります。恩を売ることで相手との間に「主人とペット」のような主従関係を作ろうとします。
恩着せがましい人の中でもこのタイプはかなり厄介と言えます。先輩後輩や恋人関係、上司と部下などでこのような状況になるのは、何としても避けたいところですね。
自分のことが大好き
恩着せがましい人の中には、自分の言動を客観的に見ようとしないで、無条件で自分の行為を高く評価するタイプの人がいます。このようなタイプの恩着せがましい人は、そんな善行をやってのける自分のことが大好きです。
「相手のことを気遣いつつ自分の仕事をこなしている自分はカッコいい」「自分はデキる人間だ」と考えているため、見当違いのお節介をしている可能性など考えないのです。
損をしたくない
恩着せがましい人の大半に共通するのが、この感情です。「自分は与えてばかりで相手からなにも得られていない」「いつも自分ばかりが我慢して損している」など、被害者のような感情を抱くこともあります。
また、恩着せがましい人は人間関係を自分にメリットがあるかどうかで判断していて、周りはそんな損得勘定を当然見抜いています。そのため周りから自然と人がいなくなり、恩着せがましい人は再び恩を着せられる人を探し始めます。
白黒はっきりつけたい
恩着せがましい人は、「感謝しているなら表現しろ」「感謝しているのかしていないのかはっきりしろ」と白黒つけようとします。
人間関係はグレーな部分が多いもの。感謝の気持ちは言葉や行為となって表に出てくるまでわかりません。ですが、多くの人はそこはグレーなものとしてあえて触れません。
恩着せがましい人は、そういったグレーな部分が我慢ならないのです。これも大きな特徴と言えます。
自分の思い通りに人を動かしたい
相手の心情や周りの反応を察知できる人であれば、そもそも見返りは不確実なものとして期待などしませんし、少なくとも口に出して求めません。
一方、恩着せがましい人は、自分が与えたのだから必ず相手は見返りをくれるはずだと考えます。その見返りの回収が滞ったり、相手が忘れていようものなら、「悪者」「恩知らず」と言わんばかりに非難するのです。自分の考えは絶対に正しく、そこから外れた行動を取る人のほうが間違っていると考えるのです。
あなたの周りにもいる?迷惑な「恩着せがましい」人
では、実際に「恩着せがましい人」というのはどんな形で身近に現れるのでしょうか?ここでは事例をいくつか紹介したいと思います。
友人が恩着せがましくてうんざり…
「僕が風邪をひいてしまい講義を欠席した時、頼んではいなかったのですが友だちが代返をしてくれたんです。翌日ありがとうと感謝をして学食でおごってあげたものの、今でもあの時の貸しを返すように言ってくるんです」(21歳/男性/大学生)
いくら貸しを返したとしても、恩着せがましい人自身が満足しなければ返したことにならないという例です。まさに自分本位と言えますね。
仕事で恩を着せてくる同僚
「自分が受注でミスをしてしまったことがありました。その時にアドバイスをくれた同期がいたんです。その時はすごく助かりましたが、なぜか今、職場で僕が恩知らずだと触れ回っているようです。僕があの後そいつのミスをカバーした話はどこへやら…」(30歳/男性/営業職)
恩着せがましい人は、他人に何かしてもらっても、それが自分の納得のいくものでない限り記憶されないのです。
恩着せがましい先輩社員
「私が新人の頃、男性の先輩社員が育成担当についてくれましたが、いつも自慢話や苦労話ばかり聞かされて、正直得るものが少なかったです。でも、いつも飲み会ではあいつは俺が独り立ちさせた、苦労したなどと話していて、怒りを覚えることがあります」(27歳/女性/営業職)
先輩後輩の関係だと、毅然とした態度で先輩に意見するのは難しく、ただ耐えるのみという方も多いのではないでしょうか。
「育ててやったのに」という毒親
「親に『おまえのことを誰がここまで育ててやったと思ってるんだ?そんな専門学校に行くことは許さない!ここまでいくらかかったと思ってんだ!』と言われて、高校生の僕にはその言葉に反論する力はなく、結局デザイナーになる夢を諦めました」(35歳/男性/公務員)
親と子の関係だと、子は絶対的に弱者になります。親の思い描く道を歩くことを「見返り」として求められる事例でした。
恩着せがましい「なんちゃってイクメン」
「夫は休日だけ育児に協力してくれます。ただ、平日は私1人で子供をみて、休日も私がメインで夫がちょいちょい手伝う感じです。以前口論になった際『たまの休みに手伝ってやってるのに何が不満だ!』と言われました」(27歳/女性/主婦)
自分が損をしている、自分ばかりが我慢していると思っているタイプです。奥さんの日々の苦労を気遣ったり、育児を協力して行ったり、持ちつもたれつで助け合うという発想がないのです。
恩着せがましい人への効果的な対処法とは?
では、恩着せがましい人と上手く付き合っていくためにはどうしたらいいのでしょうか。彼らの性格、行動の傾向、心理をもとに、その対処法をご紹介していきます。
日常的に感謝を伝える
恩着せがましい人の心理には「認めてもらいたい」という欲求があります。そこで、何かをしてもらうたびに感謝を伝えると、自分を認めてくれていると認識します。そうすれば、あとから恩を回収して自分が認められている事を確認する必要がありません。
何かをしてもらったら即座に感謝を伝えましょう。「いつもありがとうございます」と要所要所で言っておくと効果的です。
適度な距離感を保つ
恩着せがましい人のターゲットにならない、というのも有効な作戦です。
具体的には、恩着せがましい人にお願い事をしない、必要以上に親しくしない、借りを作りそうなことを断る、などです。周囲からしたらなかなか冷たい人間に見えるかもしれませんが、恩着せがましい人の射程に入るよりはマシでしょう。
どうしても借りを作らなければならない場合は、すぐに借りを返すことで関係をクリーンにしていきましょう。
相手を褒める
恩着せがましい人が持つ強い「承認欲求」を上手に利用してしまうのも手です。感謝を伝えるだけでなく、褒めちぎって承認欲求をこれでもかと満たしてあげると、逆に強い味方になってくれることもあります。
「さすがです」「〇〇さんにはかないませんね」「やっぱり〇〇さんじゃなきゃダメですね」など、持ち上げておきましょう。そうすると相手の承認欲求はもちろん満たされますし、さらに進んで、見返りを求めずにいろいろとやってくれるようになります。
何もお返しできないことを伝える
恩着せがましい人は、恩を売って、その恩の見返りを回収することで自分が認められたと実感します。であれば、恩を売られた直後、または売られる前に「お返しはできない」とはっきり伝えるのも有効です。
伝える時には、その相手との関係性を十分考慮してください。相手と距離感が近いなら率直に伝えてもいいでしょう。それほど近しくない場合や、相手が目上の立場である場合は、「そんな親切なことをしてもらっても、いまの自分では何もお返しできないと思います」などと相手を立て、へりくだって伝えると、納得してもらえるでしょう。
何を言われても動じない
恩着せがましい人には、他人の話を聞かない面もあります。そして「恩は返せない」と伝えると、自分は損をさせられると焦り、感情的になります。ですが、そこで折れてはいけません。
借りを作る前であれば、恩を返せと言われる筋合いはありません。また借りを作ってしまった後であっても、その見返りは本人が決めることなので、強要されることはナンセンスです。問い詰められることに何ら正当性はないので、自信を持って接しましょう。
この対処法はメンタルの強さが必要となるため、自信がない場合は無理をしないほうがいいでしょう。
第三者から言ってもらう
恩着せがましい人に「借りは返せない」と伝えるのは大変なことです。相手がこちらと対等な立場ならまだしも、先輩など立場が上の人ならば、正直に伝えるのはなかなか難しいことも。
そんな時は、上司やもっと上の先輩などの第三者に仲裁してもらいましょう。恩着せがましい人は周りが見えていないため、周囲の人間から説得力のある言葉を投げかけられると、予想外の事態を前に脆くなる傾向があります。ぜひ、信頼できる人物に協力をお願いしましょう。
恩着せがましい人へのNGな対応とは?
ここでは、そのNG対応を4つほどご紹介します。それぞれふとした拍子にやってしまいそうなものばかりです。事前に知っておくことで、避けれられる危機が増えるでしょう。
恩を受け取り続ける
恩着せがましい人と付き合っていく際、恩を受け取ってしまうこと自体がNGです。そしてさらにNGなのは「恩着せがましい」と感じているにもかかわらず、恩を借りては返すことを繰り返してしまうことです。
繰り返すうちに、それが当たり前になってしまいます。そうなってしまうと、飼い主とペットのような主従関係が出来上がってしまうことも。それを避けるためにも「お返しはできません」とはっきり意思表示をしましょう。
受け取った恩を返さない
もし恩着せがましい人から恩を買ってしまった場合、どうしたら良いのでしょうか。先でも述べたように、きちんと「お返しはできません」と意思表示をしたり、すぐに返してしまいましょう。では、意思表示をせずに無視したらどうなるのでしょうか。
その場合、恩は利子のようにどんどんと膨れ上がり、プラスアルファのものをつけなければ収拾がつかなくなるかもしれません。恩を受け取ってしまった場合、放置するのは絶対NGです。
自分の方が悪いとして謝る
これは最もやってはいけないことです。恩着せがましい人から過去の恩の見返りを求められること自体が不当であることを忘れてはいけません。こちらが責められる理由はどこにもないのです。
当然、相手は必死に取り返そうとしてくるはずです。それでも負い目を感じることはありません。なぜなら本来、見返りをするかどうかは自分自身で決めることで、ほかの誰にもそれを要求することはできないからです。自信をもって接しましょう。
1人で抱え込んでしまうこと
恩着せがましい人に面と向かって「借りは返せない」と言うのは難しいものです。そして、このような問題はなかなか人には話しづらかったりもします。「え?そんなの返すのが当たり前!非常識だよ」と言われることを心のどこかで想像してしまうからです。
しかし、そもそも責められる筋合いはどこにもありません。1人で対応するのが難しければ他の人に相談しましょう。
過度な善意は毒にもなる
こう考えると、さながらモンスターのようですが、私たちはそんな恩着せがましい人とも上手く付き合っていかねばなりません。そうするには、褒めるべきところで褒め、感謝を伝え、そして意思表示をはっきりしましょう。自信がない時は他の人を頼りましょう。
それらができれば、恩着せがましい人ともなんとか上手くやっていけるでしょう。
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