婚前交渉と宗教の関係性について
一概には言えませんが、性的なものをタブー視したり厳しく抑圧したりする背景には、宗教的な価値観や伝統が存在することが多いでしょう。そこで以下では、婚前交渉と宗教の関係性について詳しく見ていきましょう。
キリスト教の聖書では禁止されている
聖書には「姦淫してはいけない」という文言がありますが、キリスト教ではこれを「婚前交渉をしてはいけない」と解釈してきた歴史があります。
ただし、キリスト教と言っても多くの宗派があり、聖書の解釈や婚前交渉に対する考えにはグラデーションがあることにも注意が必要です。
特に婚前交渉に厳しい姿勢を取っているのは、カトリックです。たとえば、同教徒であるモデルのアドリアナ・リマは、聖書の教えに従い、婚前交渉をしないことを明言していたほど。
このように、カトリックの伝統が根強い国では婚前交渉に否定的な風潮が見られます。ただ、カトリック教徒であっても現代的な価値観の影響を受けて婚前交渉をする人もいます。
イスラム教では婚前交渉に罰則もある!
イスラム教ではセックスそのものが汚らわしいものとして忌避されているわけではなく、夫婦間のセックスであれば何も問題ありません。ですが、婚前交渉はタブーとされています。
イスラム教を国教としているすべての国がそうとは限りませんが、婚前交渉に対して罰則を設けている国もあります。
たとえばアラブ首長国連邦では、婚前交渉のみならず、公衆の場でキスなどの身体的な接触をしただけで逮捕されてしまった、という報道もあるほど。
自国民のイスラム教徒のみならず、外国からやってきた観光客まで処罰の対処になるほど、厳格な性規範が存在するのです。
ユダヤ教も原則としては婚前交渉を禁止
キリスト教やイスラム教徒同様に、ユダヤ教でも婚前交渉は避けるべきとされています。ただし、宗派によって婚前交渉に対するスタンスは異なることに留意すべきでしょう。
たとえば、ユダヤ教の中でも特に厳格で保守的な「超正統派」では性的なものがタブー視されており、男女がともに学校に通うことさえ禁止されているのです。
このように性的な規範が厳しく「婚前交渉はもってのほか」とする宗派もある一方で、世俗化し、婚前交渉に対してより寛容な考えをもっているユダヤ教の人々も存在します。
日本は世俗化している?
よく「日本は無宗教の人が多い」といったフレーズを耳にしますよね。それが事実かどうかは議論の余地がありますが、カトリック教徒の多い国やイスラム教圏と比べると、性に対する宗教的なタブーが少ない傾向にあるのは確かでしょう。
というのも、日本社会では結婚前にセックスの経験があってもそれが特別問題視されることは少なく、ましてや処罰を受けることはないからです。
婚前交渉が社会的・宗教的なタブ―となっていないのは、日本がほかの社会に比べて世俗化していることが背景にあるのかもしれません。あるいは、神道や仏教がほかの宗教に比べると性に対して寛容であるということも、その要因として挙げられるでしょう。
出典:
聖書入門.com『Q.137 婚前交渉はなぜいけないのですか。』
http://seishonyumon.com/movie/4987/
ハフポスト『キスしたら1か月の禁固刑? ドバイでは珍しくない話』
https://www.huffingtonpost.jp/2013/08/08/dubai-kissing-couple-jail-sentences_n_3724202.html(2013年8月)
国土交通省『訪日ユダヤ人旅行者ウェルカムハンドブック』(2018年2月)
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/kankou/pdf/h29/kankou20180312.pdf
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