「唇を噛む」に関する専門家の意見やアドバイス
舌や唇のしぐさで相手の心理がわかる!?
唇を噛んだり舐めたりする、あるいは舌を出すといった口周りのしぐさで、相手の心理がわかることもあるようです。『面白いほどよくわかる!見ため・口ぐせの心理学』(渋谷昌三)には、以下のような記述があります。
「失敗をしてしまったときに舌を出す人がいます。周囲からは『子どもっぽい』などと思われつつも、そうしたしぐさに本気で怒りを表す人は少ないのではないでしょうか。何となく親密感さえ覚えてしまいます。実際、『許してね』と甘えているとも受け取れます。
『あっかんべー』と言いながら舌を出すのも子どもがよくやるしぐさですが、これは『嫌だよ』『残念でした』と言う代わりにするジェスチャーで、つまり『拒否』を意味しています。しかし、これも親愛の情を込めながら拒否している感じがします。
舌は見ためがグロテスクですから、これを人目にさらすのは通常ははばかられます。それを見せるということは、相手に対して警戒心がないとも考えられます。素の自分を見せて、好意を表しているのです。
また、唇をなめるのがくせという人もいます。もちろん、唇が乾燥したときになめる場合もありますが、そうでないときも唇をなめる人は緊張状態にあると考えられます。人は緊張すると交感神経が刺激されて唾液の分泌が抑制され、その結果として唇が乾くことがあります。そこで唇をなめることになるのです。
あるいは、緊張や不安、ストレスを少しでも和らげるために、唇をなめている場合もあります。フロイトが主張する性的発達段階によると、口は最初に経験する快楽の源で(口唇期)、指しゃぶりもその代償行為といいます。つまり、何らかの欲求を満たそうとする気持ちが、自分で自分のからだのどこかをさわることで安心感を得る自己親密性に通じるものがあります。指先で唇に触れるのも、不安感を抑えて心の平静を取り戻したいという自己親密性の表れといえるでしょう。
一方、唇を噛んでいる人は、攻撃的な欲求を抑えている状態が考えられます。うかつに近づかないほうがよいでしょう。」
舌や唇に関するしぐさには、好意的なものから攻撃的な気持ちを抑制しているものまで、いろいろあるようです。相手の口元に落ち着きがない場合は、注意深く観察してみるといいでしょう。
口元で読み取るイエス、ノーのサイン
口元のしぐさには、様々な感情が表れるようです。舌や唇の動きだけでイエス、ノーを見分けるには、どういう点に注目するといいのでしょうか。『「しぐさ」を見れば心の9割がわかる!』(渋谷昌三)には、以下のような記述があります。
「お乳を吸っていた赤ちゃんはお腹がいっぱいになると、舌で乳首を押し出します。これと同じで、舌を出すしぐさを見せたときは、拒絶のサインと受け取れます。人は何かに熱中すると、軽く舌を出していることがよくあります。これは『話しかけるな』、つまり邪魔されたくないという気持ちが無意識に表れていると考えられます。
このように、口元に見られる無意識の動きで、隠されたイエス、ノーの意思表示を読み取ることができます。舌を出すのはノーを意味しますが、同じ舌を出す行為でも唇をなめるのはイエスのサインです。食指が動く、といいますが、まさにその状態。会話の途中で相手が唇をなめるしぐさをしたら、話の内容に興味を持っていると考えていいでしょう。
逆に、口をかたく閉じたり、唇をかみしめたりするのはノーのサイン。怒りの感情や悔しい思いがわいてくると、自然と口周辺の筋肉はこわばります。強い緊張状態にあるときも顔がこわばり、口元がゆるむことはありません。また、舌を頬の内側に押しつけるしぐさも、その話には興味がないとか、困ったなという感情の表われ。つまりノーの意思表示ととれます。
相手の立場に立って考えれば、こちらがいつまでも口をかたく閉じていれば、拒絶されているという印象を受けるでしょう。会話を弾ませるためには、まずは自分から口元をゆるめることが大事です。」
このように、口元をかたく閉ざすのはノー、緩めるのはイエスのサインだと覚えておくといいようです。逆にいうと、唇をきゅっと締めて押し黙っているだけで、強い拒絶のサインだと思われてしまうので、誰かとコミュニケーションを図る場面では気を付けたほうがいいでしょう。
<参考文献>
『面白いほどよくわかる!見ため・口ぐせの心理学』(渋谷昌三)
『「しぐさ」を見れば心の9割がわかる!』(渋谷 昌三)
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