加虐心が生まれる理由
では、人はどんな理由から加虐心を持つようになるのでしょうか。理由として考えられる主な4つの参考例を見ていきましょう。
相手より有利な立場に立ちたい
相手よりも有利な立場に立ちたいというのも、加虐心を生む理由の一つとして挙げられます。
人間社会では、上下関係が成立してしまうと、基本的に上の立場の人間の言うことが絶対になってしまう部分がありますよね。なので、自分が上の立場の人間であると実感するために、加虐心を芽生えさせることも珍しくはないようです。
また、相手よりも有利で居られると、自分に力があることの証明とも感じられるので、「相手を意のままにできる」という解釈になり、気持ち良く感じられるのでしょう。
立場が弱い人への攻撃でストレス解消
弱い人の心を砕いて困っている顔を見ると、気持ちがスッとするという経験をしたことはありませんか?大なり小なり、人間なら感じたことがある心理状態と言えます。
立場が強い人間へ攻撃をすると、その跳ね返りが来ることを恐れてしまいますよね。しかし、立場が弱い人間には何をしても、自分に跳ね返って来ることはないという自負もあり、迷いなく攻撃できてしまうのでしょう。
弱いものいじめは善とされる行為ではありませんが、自分よりも弱いと思える人間が苦しんでいる様子を見て、ストレス発散にしている人が実際にいるのです。
また、思い切り攻撃したことにより、相手が参っている姿を見て、自分は強者だと認識しやすくなります。人よりも強いという認識が、ストレス解消につながっているのかもしれませんね。
自分の存在を誇示したい
「自分は強者だ」と認識することは、人が自信を持って生きて行くために、必要とも言える認識です。そのため、「自分はすごい人間なんだ」と誇示するために、加虐心を生み出してしまうケースもあるでしょう。
自分の存在が無碍にされてしまう、見下される、弱く見られてしまう…。そうなってしまうと、今度は加虐される「被虐」の立場になってしまい、自分が攻撃を受ける可能性も出てきてしまいます。
自分の存在を誇示して、誰にも攻撃されないように、自分が攻撃する。そんな風に自分を守るため、加虐心を持ってしまう人もいるのです。
相手の価値を下げたい
加虐心を持ってしまう理由は、自分の中にだけ潜んでいるものではありません。単純に、相手の価値を下げたい、自分の方ができる人間だと知らしめたい…。そんな時にも加虐心を持ってしまいやすくなるのです。
例えば、ライバルと何かを競う時に、自分が思ったほどの成果を出せないとします。それでも「負けたくない」という意志が強い場合、相手を蹴落とそうという考えになるのです。
相手の価値が下がるからこそ、自分の価値が上がる。極端ではありますが、それも加虐心をもつ理由としては十分なようです。