「怒らない人」に関する専門家の意見やアドバイス
怒りを感じたら、感情的にならずに気持ちを説明しよう
怒りをうまくコントロールすることを「アンガーマネジメント」と呼ぶそうです。アンガーマネジメントでは、怒らないことを推奨しているのではありません。「怒り」は必要な感情ですが、無駄に怒らないことが大切だと説いているようです。『[図解]アンガーマネジメント超入門 怒りが消える心のトレーニング』(安藤俊介)には、以下のような記述があります。
「『怒ることは悪いこと』と考えて、つい怒りをため込んでしまっていないでしょうか。
怒らないことがアンガーマネジメントだと考えている人がいますが、これは大きな間違いです。実は、日本人にはこのタイプが多いと言われています。
怒りを感じたときに我慢して、後で『ああ言えばよかった、こう言い返せばよかった』などとイライラを引きずった経験はないでしょうか。あるいは、怒りをため続けた結果、何かのきっかけに爆発させてしまったことはないでしょうか。
ため込んだ怒りがストレスとなり、心身の不調となってしまうこともあるでしょう。これでは、『怒りをうまくコントロールできている』とは言えないのです。
そもそも、怒りは人間が生まれつき持っている感情で、生きていくうえで必要不可欠なものです。ゼロにすることはできません。怒りを感じることに罪悪感を持つ必要はないのです。そのため、アンガーマネジメントは必ずしも怒りを否定していません。大切なのは『怒りと適切に付き合って、コントロール下におくこと』なのです。
怒りを抑え込むことのデメリットは、ストレスがたまるだけではありません。怒るべきときに怒らないと、相手の主張をそのまま受け入れることになることがもう一つのデメリットです。何があっても怒らずにただただ耐えるだけになってしまうと、理不尽な状況は放置することになります。
ですから、ムダに怒らないことと同じくらい重要になるのが『上手に怒りを伝えること』です。怒りを感情的にぶつけることなく、リクエストを伝え、改善を求めるわけです。そのためには、何に対して怒りを感じたのかを自分で把握した上で、相手にどうしてほしいのかを上手に伝える必要があります。
重要なのは、相手を打ち負かすことを目標としないこと。怒っているとどうしても攻撃的な表現が出てしまいますが、それでは相手は反撥するだけ。反撥されると余計にイライラして、さらに攻撃性を増すという悪循環が生まれます。伝え上手になれば、怒りのスパイラルから抜け出し、状況を変えられるようになるのです。」
このように、「怒りを抑える」のではなく、「怒りをどう伝えるのか」が大事なようです。相手を攻撃するだけでは、反発を招き、負のスパイラルに陥ってしまいます。こちらのリクエストを伝え、改善を求めるというスタンスでいれば、お互いに納得のいく落としどころが見つかるでしょう。
「我慢して怒らない」のは決していいことではない
「怒らない人」は人格者のように見えますが、「言わなくてもわかるだろう」と不満を伝えずにいることで、むしろ問題の解決から遠ざかってしまう場合があります。『女子の心は、なぜ、しんどい?』(清水あやこ)には、以下のような記述があります。
「異性間のトラブルの原因として多いのは、コミュニケーションミスと妄想です。
女性同士だと相手を読む能力に長けた者同士なので、言わなくても汲んでくれる、ということが起こりますが、男性はそうはいきません。言わないとわかりませんし、それも丁寧に順序立てて伝えないと理解してくれません。
また、そのすれ違いからありもしない妄想が広がると、さらに解決から遠ざかってしまいます。
このような女性にありがちなのが、社会的にも男性に対しても、次のように『いい女性』であることを努力するタイプです。
『好きなタイプは真面目な人。私は家事も子どもも大好き、仕事だってちゃんと続ける。ストレスが溜まっても我慢する。メンヘラにはなりたくないから』
男性受けも社会受けもいいでしょうが、単なる都合のいい女です。仮に今、運良く誰かに搾取されていなかったとしても。
ここまでまわりを気遣ったところで、報われないことも多いはず。繰り返しますが、人は、特に男性に対してはきちんと言葉で伝えないと真意は伝わりません。ここを不明確なままにしておくと、相手に都合よく解釈されてしまいます。
『妻は家事が好きなんだな』『子どもにできるだけ関わっていたいんだな』と……。
こうした男性側の考えには悪気がないことが大半です。しかし、ここで出てくるのが『(私はこんなにしているのに)何でわかってくれないの⁉』といった不満です。
もし思い当たることがあるのであれば、あなたはみんなのいい人である必要はないということを知っておきましょう。
まず守るべきは自分。ここを意識しておかないとさまざまな場面で都合よく使われて、切り取られて、自分がなくなってしまいます。
社会評価と相手の快適さを追求した姿勢は、自分の特徴が表出しにくく、非常に抑圧された状態といえます。自己主張をすること、完璧ではないことは悪いことではありません。便利な女にならないようにしましょう。」
このように、周囲への気遣いから「怒らない人」を装っていると、自分を理解してもらえないばかりか、「こんなに頑張っているのに、なぜわかってもらえないの?」と不満をため込むことにもつながりかねません。便利な女として搾取されたくなければ、順序立てて怒りの感情を説明することも必要でしょう。
<参考文献>
『[図解]アンガーマネジメント超入門 怒りが消える心のトレーニング』(安藤俊介)
『女子の心は、なぜ、しんどい?』(清水あやこ)
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